Savior-社長は救世主-ⅱ



それでも、時間は過ぎていく
無駄に笑って、無駄に動いて…

そうしていないと
泣崩れそうだった


「部屋を探すなら、じっくり決めなさい。俺も志津香も気にしないし、澪ちゃんがいてくれた方が志津香も心強い」


斗真さんの優しさに、とことん甘えまくっている私




さて、帰ろう
仕事を終え、パソコンを閉じた
事務所は誰もいない

優さんと社長は外回り
そして直帰すると言っていた


戸締りし、事務所を出た
不動産屋にでも寄って帰ろうかと
考えながら歩いていると
グイッと腕を引っ張られた


えっ、と振り向くと
そこには直帰したはずの社長がいた



私が声を出す前に来い、と
事務所に隣接してある駐車場へと入る


乗って、と助手席のドアを開ける社長
その車は私が大好きなミニクーパー
この車に乗るのは久しぶりだ
乗っていいものなのか躊躇していると
押し込まれるように乗せられてしまった
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