Savior-社長は救世主-ⅱ
「あそこに…家を建てようと思っているんだ。ここは周りに子供も多い、小児科も総合病院もある。駅から然程離れていないし、近くにはスーパーもあって…」
社長が話す内容があまりにも唐突すぎて
私は理解が出来なかった
それでも、社長はこの地域の情報を私に話してくれ、最後には
「いい土地でしょ?」と聞いてきた
確かに社長の話を聞くと
子育てや働くママにとって
かなり便利な地域だ
『そうですね』
それ以外、言いようがない言葉
なぜ私にそんな話を?と聞こうとしたら
社長のスマホが鳴った
ごめん、と断りを入れて
社長は電話に出た
「あ、マヒロさん。」
その名前にドキッとする
マヒロって…ハヤカワマヒロ?
どうして…どうして今なの?
「あ、本当?今から行く。うん…今?今は俺たちの土地に来ているよ…うん、」
……ああ…もう嫌だ
今からマヒロって人に会いに行くのか、
そして、家を建てるというのは
社長とマヒロって人の家だ