Savior-社長は救世主-ⅱ



「マヒロ、やめろ」



何も答えられない私
それを制止させたのは…社長



だってー、と社長の元へ行く彼女
どこからどう見てもカップルだ


「いいから早く見せてくれ」


「わかったわよ、相変わらずセッカチね」


ついさっきまで私を睨みつけるように見ていた彼女は
鼻歌を歌いながらテーブルに何かを広げ始めた


社長もそれを見るために
彼女の横へと移動した


私は…
二人のそばには行けない
二人の世界だ


彼女が何か話しかければ
嬉しそうに笑う社長が目の前にいる


だめだ…泣きそうになる
こんなの見たくない、

社長たちに背を向け
1階へ降りようとした




「澪、どこへ行くんだ」



久しぶりに呼ばれた名前
なんでよ、どうして名前を呼ぶの?

我慢していた涙が一気に溢れ出した
< 75 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop