Savior-社長は救世主-ⅱ
「マヒロ、やめろ」
何も答えられない私
それを制止させたのは…社長
だってー、と社長の元へ行く彼女
どこからどう見てもカップルだ
「いいから早く見せてくれ」
「わかったわよ、相変わらずセッカチね」
ついさっきまで私を睨みつけるように見ていた彼女は
鼻歌を歌いながらテーブルに何かを広げ始めた
社長もそれを見るために
彼女の横へと移動した
私は…
二人のそばには行けない
二人の世界だ
彼女が何か話しかければ
嬉しそうに笑う社長が目の前にいる
だめだ…泣きそうになる
こんなの見たくない、
社長たちに背を向け
1階へ降りようとした
「澪、どこへ行くんだ」
久しぶりに呼ばれた名前
なんでよ、どうして名前を呼ぶの?
我慢していた涙が一気に溢れ出した