Savior-社長は救世主-ⅱ
「澪っ、俺は…」
社長が何かを話そうとした時
彼女の声が聞こえた
「澪さん、こちらに来てほしいわ」
クスッと笑われた気がした
今日は厄日だ
何故私がこんな目に合うの?
やっと幸せな毎日を過ごしていたのに、
やっと…大好きな人と幸せになれると思っていたのに…
「澪さん、見て?」
そう言って見せてくれたのは図面
「これはね私達の家なの。やっと日本に戻ってこれたから思い切って家を建てようって話になったの。初めは中古物件を買ってリフォームしようか考えたんだけど、やっぱり一から自分の手で作りたくって…」
私、建築士だから
そう笑った彼女は
嬉しそうに図面を眺めている
さっきの土地に
社長と暮らす家を建てるんだ…
だから私に諦めろという
現実を突きつけてきたのだろう
それなら、もうわかっている