Savior-社長は救世主-ⅱ
『おめでとうございます』
そう言葉に出した私
そして、チラッとみた彼女の手元
『ご結婚、おめでとうございます』
左の薬指にはめられた婚約指輪
キラキラ輝いていてる
私には…無いものだ
お店には行った、注文もした
引き取り日は当に過ぎている
それでも、私の指にははめられていない
そういうことだ
「ありがとう、」
「絢斗…私、幸せよ」
私から視線を社長へと移す
良かったな、と社長は
彼女の肩に手を置く
もう、これ以上はいい
これ以上は…私が無理だ
もう帰ると言おうとしたら
彼女がもう1枚、図面を広げた
それは先ほどの図面より
かなり詳しく、3D図もある
『素敵…』
外観の画像が目に入る
考えずに出た言葉だ
本当に素敵な外観だ
何枚かの画像を目にするが
私が好きな雰囲気ばかり…