翼をもう一度。
女子はキャーキャー騒いで
男子は何かを言っている。
なんなんだよ。
「おい、お前女みたいな名前のヤツ。
お前が何の目的で大雅さんに
近付いてんのか知らねぇけど
見たところの祐希さんとこの
族に入ってるわけではないだろ。
なんだ。お前はどっかのスパイか。」
「は?」
何を言い出すんだコイツは。
「俺だってあんま話したことねぇのに
馴れ馴れしいって言ってんだよ。」
ビュッ
風を切って男の拳が飛んでくる。
八つ当たりかよ。