翼をもう一度。


「そうだよ。
見ての通り女。
でも女だってバレたら
なめたヤツらが
余計に来るでしょう?
それはめんどくさいの。」



この人なら大丈夫。

根拠はないけど何故かそう思った。



「名前なんていうの。」



「鈴美だよ。」



「そっか。可愛い名前だね。
俺は裕也。裕也って呼んで。
俺も鈴美って呼ぶ。
俺の名前聞いたことない?」



首を横に振る。
すると裕也は少し驚いた顔をして



「そうなんだ。
俺、ある暴走族に入ってるんだ。
そこすごく有名なんだけど。」



と言った。
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