メルヘン・メンヘラ
拾
放課後、僕は約束通り屋上へ行った。
屋上へ行く途中、虹に会い、
「お前ももうすぐ彼氏だな。」
と冷やかされた。
初対面で告白されるか、って僕は思う。
期待するだけばからしい。
屋上に上がると、橋本はいた。
空を眺めているのだろうか。
扉の音に気が付いたらしく、こっちを見る。
近づいてくる気配がないので、僕から少しずつ歩み寄る。
「こんにちは、橋本さん。」
彼女は無言。
直立不動。
僕の言葉はガン無視された。
「あ、あの、ぼ、僕が呼ばれた理由ってなんですか?」
戸惑いながらも言う僕は、相変わらず情けない。
彼女は無言。
直立不動。
僕の言葉はガン無視された。
「あの~。」
彼女は急に動いた。
といっても動き自体はとても小さいものだった。
左腕をまくるというだけだった。
傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。
それはとても見られたものではなかった。
でも、僕にはそんなことを言う資格なんてなかった。
ODをやっている奴が、リスカを非難できるはずがない。
ただ、彼女の痛みは分かる。
苦しさは分かる。
辛さは分かる。
だからこそ、助けてあげたかった。
彼女の口から洩れたのは、甘い愛の告白でも、彼女の痛みでもなかった。
「私はあなたを助けたい。」
屋上へ行く途中、虹に会い、
「お前ももうすぐ彼氏だな。」
と冷やかされた。
初対面で告白されるか、って僕は思う。
期待するだけばからしい。
屋上に上がると、橋本はいた。
空を眺めているのだろうか。
扉の音に気が付いたらしく、こっちを見る。
近づいてくる気配がないので、僕から少しずつ歩み寄る。
「こんにちは、橋本さん。」
彼女は無言。
直立不動。
僕の言葉はガン無視された。
「あ、あの、ぼ、僕が呼ばれた理由ってなんですか?」
戸惑いながらも言う僕は、相変わらず情けない。
彼女は無言。
直立不動。
僕の言葉はガン無視された。
「あの~。」
彼女は急に動いた。
といっても動き自体はとても小さいものだった。
左腕をまくるというだけだった。
傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。傷。血。線。
それはとても見られたものではなかった。
でも、僕にはそんなことを言う資格なんてなかった。
ODをやっている奴が、リスカを非難できるはずがない。
ただ、彼女の痛みは分かる。
苦しさは分かる。
辛さは分かる。
だからこそ、助けてあげたかった。
彼女の口から洩れたのは、甘い愛の告白でも、彼女の痛みでもなかった。
「私はあなたを助けたい。」