メルヘン・メンヘラ
漆
最初、彼女のマスクにしか注目が行かなかったが、よくよく見ると、彼女は僕の学校の女子と同じ制服を着ていた。
そして、具合のことを心配されたのも忘れ、
「東郷高校ですよね?学年は?」
と聞いてしまった。
彼女は戸惑いながらも、
「一年です。」
と答えた。
そういえば、彼女は僕の隣に座ろうとしない。
まあ、座りにくいのも当然か。
それよりも、彼女は一年だと答えた。
………一緒じゃん。
「ごめん。僕も一年なんだけど、君の事知らないんだ。僕はA組なんだけど。」
「私はD組。気にすることないよ。私もあなたの事を知らない。」
「僕は、安田雅。多分、君が僕の事を知らないのも当たり前だと思う。僕は、あまり学校に通ってないから。」
「橋本京。あなたは不登校なの?」
結構デリケートな部分に突っ込んでくる。
初対面だよね?
「まあ、そういうことになるかな。」
「なぜ?」
言葉に詰まる。
これを言ってよいものなのか。
まあ、いいか。
「学校に行く意味が感じられない。あんなことを学ぶ必要性がない。そう思っちゃうんだ。」
「そうなんだ。あなたとは気が合いそうね。リスカしてるの?」
「………え?」
「リストカットをしているかと聞いたのよ。」
「いや、それは分かるんだけど………。急だね。してないよ。」
「ODは?」
僕は正直、ポーカーフェイスを保ち切れていた自信がある。
なぜなら僕は、彼女と同じように大きなマスクをして、口元の笑みを隠していたからだ。
ただ、彼女は鋭かったのだろう。
「あとで、学校で話しましょう。放課後、屋上で。」
女は怖い。
そして、具合のことを心配されたのも忘れ、
「東郷高校ですよね?学年は?」
と聞いてしまった。
彼女は戸惑いながらも、
「一年です。」
と答えた。
そういえば、彼女は僕の隣に座ろうとしない。
まあ、座りにくいのも当然か。
それよりも、彼女は一年だと答えた。
………一緒じゃん。
「ごめん。僕も一年なんだけど、君の事知らないんだ。僕はA組なんだけど。」
「私はD組。気にすることないよ。私もあなたの事を知らない。」
「僕は、安田雅。多分、君が僕の事を知らないのも当たり前だと思う。僕は、あまり学校に通ってないから。」
「橋本京。あなたは不登校なの?」
結構デリケートな部分に突っ込んでくる。
初対面だよね?
「まあ、そういうことになるかな。」
「なぜ?」
言葉に詰まる。
これを言ってよいものなのか。
まあ、いいか。
「学校に行く意味が感じられない。あんなことを学ぶ必要性がない。そう思っちゃうんだ。」
「そうなんだ。あなたとは気が合いそうね。リスカしてるの?」
「………え?」
「リストカットをしているかと聞いたのよ。」
「いや、それは分かるんだけど………。急だね。してないよ。」
「ODは?」
僕は正直、ポーカーフェイスを保ち切れていた自信がある。
なぜなら僕は、彼女と同じように大きなマスクをして、口元の笑みを隠していたからだ。
ただ、彼女は鋭かったのだろう。
「あとで、学校で話しましょう。放課後、屋上で。」
女は怖い。