メルヘン・メンヘラ
捌
僕がそもそもなぜ、今日、大雨の中登校したかというと、仁に呼ばれたからという理由だけである。
夜桜仁。
名前がかっこよすぎることもあるが、それ以上に、人間としてかっこいい。
天才、鬼才というレベルだ。
といっても勉強はほとんどできない。
彼ができるのは音楽、エレキギターである。
かくかくしかじかで彼のバンドに誘われた僕は、ピアノ担当という位置にいるんだけど、まあ、その練習で今日、呼び出された。
バンドには賢哉というドラマーと、虹というベーシストがいるんだが、それは後日説明するとして、まずは、仁の話である。
夜桜仁。
AB型。
典型的な唯我独尊タイプで、いまいち何を考えているのか読めない部分がある。
約束を破ると、超怒る。
というわけで、僕は眠い目をこすりながら朝、学校に来た。
真面目か、って突っ込まれそうなところだけど、言われるがままに来ただけだから、真面目でも何でもない。
呼び出された理由は簡単で、バンドの事についてである。
なんと、新メンバーを見つけたそうだ。
現在、ボーカルがいない僕たちにとっては朗報なのだが、なぜか仁は、僕を含め賢哉にも虹にも紹介してくれなかった。
ようやく紹介してくれるから、少しばかり期待がないでもない。
僕が教室に入ると、すでに、仁も賢哉も、虹までいた。
そしてなぜか、橋本もいた。
「雅は遅刻か。相変わらずだな。」
と仁は何事もないように話しているが、僕はまだ、現状がつかめていない。
いや、現実から目をそらそうと必死に努力している。
虹は妙ににやにやして、嬉しそうだ。
いやな予感しかしない。
「雅。この子、知ってるでしょ。」
なんでそんなに満面の笑みを浮かべているんだ?
「ああ。D組の橋本京さんでしょ?」
今気が付いたのだが、仁、虹、賢哉は座っているのに、橋本は立ったままだ。
細かく言うと、仁は机の上に体育ずわりしているが。
「やっぱり知ってるんだ。」
と虹。
そして、僕のほうに近づいて耳打ちをした。
「この子、うちのボーカルになる子なんだけどさ。雅、屋上で橋本さんと話をするんでしょ?告白、期待しとけよ。」
夜桜仁。
名前がかっこよすぎることもあるが、それ以上に、人間としてかっこいい。
天才、鬼才というレベルだ。
といっても勉強はほとんどできない。
彼ができるのは音楽、エレキギターである。
かくかくしかじかで彼のバンドに誘われた僕は、ピアノ担当という位置にいるんだけど、まあ、その練習で今日、呼び出された。
バンドには賢哉というドラマーと、虹というベーシストがいるんだが、それは後日説明するとして、まずは、仁の話である。
夜桜仁。
AB型。
典型的な唯我独尊タイプで、いまいち何を考えているのか読めない部分がある。
約束を破ると、超怒る。
というわけで、僕は眠い目をこすりながら朝、学校に来た。
真面目か、って突っ込まれそうなところだけど、言われるがままに来ただけだから、真面目でも何でもない。
呼び出された理由は簡単で、バンドの事についてである。
なんと、新メンバーを見つけたそうだ。
現在、ボーカルがいない僕たちにとっては朗報なのだが、なぜか仁は、僕を含め賢哉にも虹にも紹介してくれなかった。
ようやく紹介してくれるから、少しばかり期待がないでもない。
僕が教室に入ると、すでに、仁も賢哉も、虹までいた。
そしてなぜか、橋本もいた。
「雅は遅刻か。相変わらずだな。」
と仁は何事もないように話しているが、僕はまだ、現状がつかめていない。
いや、現実から目をそらそうと必死に努力している。
虹は妙ににやにやして、嬉しそうだ。
いやな予感しかしない。
「雅。この子、知ってるでしょ。」
なんでそんなに満面の笑みを浮かべているんだ?
「ああ。D組の橋本京さんでしょ?」
今気が付いたのだが、仁、虹、賢哉は座っているのに、橋本は立ったままだ。
細かく言うと、仁は机の上に体育ずわりしているが。
「やっぱり知ってるんだ。」
と虹。
そして、僕のほうに近づいて耳打ちをした。
「この子、うちのボーカルになる子なんだけどさ。雅、屋上で橋本さんと話をするんでしょ?告白、期待しとけよ。」