ゆえん
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今日も『You‐en』には、町の人たちがやってくる。
それぞれの過去と胸のうちには色んなものがあるのだろう。
「今日のシフォンケーキ、すごく美味しい」
食べながら笑顔で頷き合う客を見ると心が温かくなる。
沙世子のレシピによるデザートを食べて、ほんの少しでも幸せな気分になってもらえるなら、それこそが沙世子を生かしていることになるだろう。
この『You‐en』が好きだ。冬真は心からそう感じることが出来た。
第一章 【湖面の月】~了
物語は第二章へ……