ゆえん


高校に入るまでは音根高校に入ることだけが目的で、その先は何も考えていなかった。


「お前はさ、本当にやりたいことをやればいいよ。両親のことやこの店のことは俺が引き受けるから、大丈夫だよ」

「洋輔のやりたいことはいいのかよ」

「俺? 俺はやりたいことは趣味でやり続けるから。そのほうが性に合っている」


洋輔の部屋を出てからも俺は考え続けた。

やりたいことをやればいいか……。

俺のやりたいことってなんだ?

ギター弾くことぐらいしかないよな。

でも、ギターで金が稼げるのか……。



< 145 / 282 >

この作品をシェア

pagetop