ゆえん


アルバイトをする目的をなくした俺は、また正幸の家に足を運ぶ日々を送った。

楓のことは気になったままだが、瞳さんに言われたことに対しての答えが出ない限り、どうしていいかわからない。

ただ、俺は答えを出すというより、その答えを先延ばしにするように、ギターにのめり込んでいった。

気に入ったフレーズは耳で聞くだけで弾けるようになり、ますます音楽が楽しくて仕方なくなった。



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