ゆえん
Ⅲ-Ⅱ
探し続けていた修ちゃん。
忘れられなかった修ちゃん。
それなのに、彼は私以外の人と家庭を持っていたことを知った。
その相手が私の隣の家の人妻で、私とは姉妹のように仲の良かった菜穂だ。
修ちゃんと知り合った当時、私はまだ十五歳、高校一年生だった。
高校では何故かいつも孤立してしまう自分に気付いた頃だった。
友達なんていなくても生きていけると強がっていても、寂しかった。
小学生の時は仲が良かった友達も中学、高校と進むうちに疎遠になっていく。
親友なんてものはいなかったし、一人っ子で兄弟もいなかった私は、図書館に通って本を読むしかなかった。