ニコル
つかの間のクリスマス
 大きな鍋を持ち上げ、浩二は扉の前にいくつも重ねた。
 「これだけ置いておけば、そう簡単に入って来ることは出来ないでしょう。」
 浩二は香田に確認するように話した。
 しかし、香田はそんな浩二の言葉には満足していなかった。
 「近藤先生。入り口だけじゃ駄目でしょう。」
 そう言って、給食準備室にあるいくつもの窓を指さした。
 「あいつらは、窓からも入ってきます。窓も何かで塞がないと。」
 香田のその言葉に、浩二はまた鼻の頭を掻き始めた。
< 100 / 155 >

この作品をシェア

pagetop