ニコル
同級生
 プルルル・・・、プルルル・・・。

 その呼び出し音を聞いて、長瀬は思わずガッツポーズをした。
 「よしっ。」
 一回、二回、三回・・・。呼び出し音はなるものの、誰かが電話をとるような感じではなかった。それでも、長瀬はひたすら待ち続けた。
 ―――繋がれ。繋がれ。
 長瀬の気持ちが途切れたら、電話もそのまま切れてしまうのではないか、そんな不安な気持ちを抱えながら呼び出し音を聞き続けた。呼び出し音が消えた。長瀬は願いが通じたと感じ、もう一度ガッツポーズをした。
 「はい・・・。」
 唾を飲み込んでから、長瀬は大きな声で話し始めた。
 「もしもし、大黒ハヤテ君ですか?」
 「はい・・・、こちらは留守番電話センターです。」
 長瀬はさっきしたガッツポーズを取り消したい気分になった。
 ―――ちくしょう。留守電かよ・・・。
 頭を抱え天を見上げた。
 そして、大きくため息をついた。
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