ニコル
助けて
プルルル・・・、プルルル・・・。

 また、別の何かが壊れる感じがした。

 山口と長瀬がいる前で、真生の携帯が鳴った。真生は慌てて携帯を開いた。
 「ハヤテだ。」
 真生の一言にふたりは反応した。
 「早くとって。」
 そう急かす長瀬とは対照的に、山口は真生を諭すように落ち着いてとるように言った。真生は静かに頷くとボタンを押した。
 「もしもし、ハヤテ?」
 「もしもし、もしもし?」
 電波が悪いせいなのだろうか、なかなかハヤテの声が聞こえてこない。それでも真生は、山口に言われた通りに落ち着いて対応した。
 「ハヤテ、返事をして。」
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