ニコル
そんなふたりの所へ、警官隊が駆け寄ってきてくれた。
ふたりの表情は笑顔になった。涙はいつの間にか渇いていた。
一歩、一歩、警官隊が近づいてきた。
その距離が近づく度に、ふたりの表情はどんどん明るくなっていった。
―――助かる。
そう思った瞬間にふたりは見てはいけないものを見た。聞いてはいけないものを聞いた。
カタカタ、カタカタ・・・。
ふたりの頭の中には“絶望”と言う言葉さえ浮かばなかった。浮かんだ言葉、それは“死”。恐怖とも悲哀とも取れる表情に変わった。視線の先には金色が見えた。
ふたりの表情の変化を不思議に思い、警官が後ろを振り向いた。その警官はもう前を見る事は出来なくなっていた。
足はまだ動かなかった。どんなに泣いても、叫んでも、動かなかった。
音が一瞬に消えた。
誰も校舎から出る事は許してもらえなかった。
ふたりの表情は笑顔になった。涙はいつの間にか渇いていた。
一歩、一歩、警官隊が近づいてきた。
その距離が近づく度に、ふたりの表情はどんどん明るくなっていった。
―――助かる。
そう思った瞬間にふたりは見てはいけないものを見た。聞いてはいけないものを聞いた。
カタカタ、カタカタ・・・。
ふたりの頭の中には“絶望”と言う言葉さえ浮かばなかった。浮かんだ言葉、それは“死”。恐怖とも悲哀とも取れる表情に変わった。視線の先には金色が見えた。
ふたりの表情の変化を不思議に思い、警官が後ろを振り向いた。その警官はもう前を見る事は出来なくなっていた。
足はまだ動かなかった。どんなに泣いても、叫んでも、動かなかった。
音が一瞬に消えた。
誰も校舎から出る事は許してもらえなかった。