ニコル
 山口もそれを見た。そして、恐怖を感じる前に長瀬と同じようにいなくなった。もう、ニコルを止めるものは誰もいなかった。
 星が見えるはずの空は、金色の絨毯が敷き詰められたようになっていた。その絨毯が浩二の学校を中心にして北へ、南へ、東へ、西へ拡がっていった。もし、空から日本列島を見ることが出来たなら、日本と同じ形をした金色の絨毯のように見えただろう。
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