ニコル
 保健室の扉を真生がソッと開けた。目の前にある机には、いつもそこにいるはずの堺先生の姿はなかった。
 「堺先生?」
 何度か呼んでみたが返事がなかった。
 「変ね。いつもなら絶対に保健室にいるのに。」
 そう言いながら真生はふたりを保健室のベッドに腰掛けさせた。
 「ちょっと、先生探して来るね。」
 ふたりが返事する間もなく真生は保健室を飛び出していった。
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