ニコル
無数の
 「おい。何か見つかったか?」
 「ないな~。」
 保健室の中を灯りになるものを求めて、一馬と巧うろうろはしていた。しかし、保健室の中に灯りになりそうなものはなかなか見つからなかった。
 「何かないのかよ。」
 だんだんと巧は苛立ちはじめていた。一馬も同じ気持ちになりはじめていた。その時、ふたりの頭の中に同じ事が浮かんだ。
 「なぁ。」
 「あぁ。」
 いつも堺が座っていた机の前に走った。少しだけ、勝手に机を開けるのは気が引けたけれども、ふたりの好奇心がそんな気持ちを津波のように押し流した。
 勢いよく引き出しを開けると、内科検診の時に使う小さな懐中電灯を見つけた。すると、二人はお互いに顔を見合わせニヤリとした。
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