ニコル
カタカタ、カタカタ、カタカタ、カタカタ・・・。
耳を塞いでいなければどうにも出来ないくらいに、その音は大きくなっていた。あまりの音の凄まじさに、一馬も巧も気が狂いそうだった。しかし、現実は気が狂うどころか、気が狂う事すら許してはくれなかった。
一馬と巧の周りには、無数の男の子の生首があった。それらが、さっきまでのふたりのように、歯をカタカタと鳴らしていた。
その男の子の顔はニコルにしか見えなかった。
ゆっくり、ゆっくり歯を鳴らしながらふたりに近づいてきた。右を見ても、左を見ても、周りはニコルの生首しかなかった。
もう一度、叫び声が波紋のように拡がった。さっきとは比較にならない位に激しい、激しい波紋だった。
そして、その波紋が消えかかる頃、無数のニコル達は倒れているふたりの姿を埋め尽くしていった。
耳を咬み、指を咬み、頬を咬み・・・。
ふたりの姿は見えなくなった。
耳を塞いでいなければどうにも出来ないくらいに、その音は大きくなっていた。あまりの音の凄まじさに、一馬も巧も気が狂いそうだった。しかし、現実は気が狂うどころか、気が狂う事すら許してはくれなかった。
一馬と巧の周りには、無数の男の子の生首があった。それらが、さっきまでのふたりのように、歯をカタカタと鳴らしていた。
その男の子の顔はニコルにしか見えなかった。
ゆっくり、ゆっくり歯を鳴らしながらふたりに近づいてきた。右を見ても、左を見ても、周りはニコルの生首しかなかった。
もう一度、叫び声が波紋のように拡がった。さっきとは比較にならない位に激しい、激しい波紋だった。
そして、その波紋が消えかかる頃、無数のニコル達は倒れているふたりの姿を埋め尽くしていった。
耳を咬み、指を咬み、頬を咬み・・・。
ふたりの姿は見えなくなった。