ニコル
取り残された気持ち
 「教頭先生、急いで。」
 教頭先生の手前もあったのだろうか、真生はゆっくりと廊下を歩いていた。
 でも、保健室がすぐ側に見えると真生は教頭の手首を掴み、慌てて走り出した。
 「こら、こら。廊下は走らない。」
 そう言いながらも、真生の掌が汗ばんでいる事に気が付くと一緒に走り出した。
 「今日だけは特別ですよ。」
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