ニコル
 教頭が保健室の扉に手をかけた。ゆっくりと扉を開こうとするが、なかなか開かなかった。
 「おかしいな。立て付けが悪いのかな?」
 扉を抱え、調整し始めた。
 「これでいいだろう。」 
 満足げな顔をしてもう一度扉に手をかけた。
 「あれ、まだ開かないぞ。」
 そんな教頭に真生は見ていられなくなり、教頭を押しのけて扉を開けようとした。
 「どいて、教頭先生。」
 柱に足をかけ思い切り力を込めた。
 「開かない。なんで?さっきまではなんともなかったのに。」
 「ちょっと、用務員室で工具を借りてくるよ。」
 教頭は用務員室に走っていった。
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