ニコル
江川の頭には生徒の事など消えていた。今、入ってきた扉目掛けて一目散に走った。たった、数メートルの距離なのに、なかなか扉に近づく事が出来なかった。
ガラガラガラ・・・。
扉が独りでに閉まった。
両手で扉を開けようとしてもビクともしなかった。それでも、江川は精一杯力を込めて扉をこじ開けようとした。
―――開かない。開かない。開かない。
江川は涙目になっていた。それでも、懸命に扉を開けようと力を込め続けた。突然、扉にすごい衝撃が走った。
―――なんだ?
扉にある小さなガラス窓から廊下を覗き込んだ。右、左、上、下。満遍なく確認した。しかし、さっきの衝撃が何かわからなかった。
それよりも江川にとっては扉を開ける事が重要だった。もう一度、取っ手に手をかけた。瞬間、小さなガラス窓にもニコルの顔が張り付いた。
ガラガラガラ・・・。
扉が独りでに閉まった。
両手で扉を開けようとしてもビクともしなかった。それでも、江川は精一杯力を込めて扉をこじ開けようとした。
―――開かない。開かない。開かない。
江川は涙目になっていた。それでも、懸命に扉を開けようと力を込め続けた。突然、扉にすごい衝撃が走った。
―――なんだ?
扉にある小さなガラス窓から廊下を覗き込んだ。右、左、上、下。満遍なく確認した。しかし、さっきの衝撃が何かわからなかった。
それよりも江川にとっては扉を開ける事が重要だった。もう一度、取っ手に手をかけた。瞬間、小さなガラス窓にもニコルの顔が張り付いた。