ニコル
廊下を走る浩二の姿を見かけ、ひとりの生徒が浩二の元に走ってきた。
「先生ぃ。」
泣きじゃくり、とても言葉になっていなかった。が、その事が教室で何かとんでもない事が起きている事を表現していると感じた。そんな生徒に、浩二は何も聞く事はなかった。
「そこで待ってなさい。」
生徒の肩にそっと手を置き、優しい声で囁いた。
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