ニコル
 「先生。もう、走れないよ・・・。」
 何人かの生徒がそう言い始めた。その言葉を合図にしたかのように、浩二と香田は後ろを振り向いた。
 「はぁ、はぁ。追っては来ないようですね。」
 「そ、そうみたいですね。」
 ふたりとも激しく息をついていた。特に香田は息も絶え絶えという感じだった。
 「昔はかなりいけた方なんですけどね。もう、年ですかね。」
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