キミのコドウがきこえる。
「もう会えたの?」
「うん、ついさっきね。居間で一緒にご飯食べた。」
「実家でご飯食べるなんて、付き合ってるみたいじゃん!」
「いや、そんなんじゃないんだよ。成美が産まれる前に近所に住んでた子でね、うちでご飯食べることが多かったから、その流れでっていうか……」
成美の言葉に、確かにあまりない関係だし、知らない人が聞いたらそういう仲に間違われるのも仕方がないなという考えが頭に浮かんだ。
「ふうん。仲いいんだね!私もそんな幼なじみ欲しかったなあ。仁成兄ちゃんには響子ちゃんだし、お姉ちゃんにはその人でしょ?成美にはいないもん」
成美は私のベッドに上半身だけゴロンと寝転がると、「いいなあ」と言って唇を尖らせた。
「その人の名前、なんていうの?」
「井上翔太だよ」
「え!?井上翔太!?」
成美は上半身を勢いよくガバリと起こして、眉間にしわを寄せながら私の顔に怪訝な顔を近づけた。
「井上翔太って、あの井上翔太さん!?」
「いや、あの……成美?どうしてそんなに怒ってるの?」
成美は、じいっと私を睨み付けると、通学バックの中からスマホを取り出し、写真を保存しているギャラリーを開き、何かを探し始めた。