キミのコドウがきこえる。
会社の朝礼で、部長からの突然の発表。
「倒産?嘘でしょ?」
隣にいた愛菜が、今にも吐きだしそうな顔で呟いた。
「昨日飲みすぎた?なんだか気分悪そうだけど」
「成子先輩、何言ってるんですか!?飲みすぎでこんな気分悪そうにしてないですよ?正気ですか」
「いや、正気じゃない……」
本当、焦りすぎて自分が何を言っているのか分からなくなってきた。
ええっと……倒産、だよね?
つまり、会社が潰れるってことだよね?
うん。間違いない。
「倒産……」
やっとその言葉を理解できて呟いた瞬間、背中とか頭の裏あたりがカーッとなった。
熱いのか寒いのかよく分からない感覚で、気持ち悪かった。
私たち三十数名の社員の前で部長が必死に頭を下げながら謝っている。
「すまん。俺もこの事態をよく分かっていなくて……とにかくもう仕事がないから、今日のところは帰ってくれ」