キミのコドウがきこえる。
「ちなみに成美ちゃんは、浴衣アイドルユニットに協力してもらってるんだ」
翔太は、隣にいた成美に目配せをしして、「ね」と言って頷いた。
成美も応えるようにして翔太に笑顔を向けると、「はいっ」と言って大きく頷いた。
「盛り上げられるように頑張ります!」
そういって成美は、両手で握りこぶしを作ると、自分の目の前にぐっとだして、引き締まった表情を見せた。
「でね、成美ちゃん。ナル……お姉さんには、俺と一緒に大太鼓を叩いてくれるように頼んだんだ」
「ふうん……なんでお姉ちゃん?」
「昔成子ちゃんが産まれる前に、二人で一緒に大太鼓を叩くことになってたんだけど、それが叶えられなくてさ。俺がお姉さんに無理言ってリベンジに付き合ってもらえるように頼んだんだ」
「そうなんだ……」
成美は翔太の言葉に納得したようで、私を上目遣いでちらりと見た。
「うん……そういうこと。だから、成美が心配しているようなことはないからね」
成美は、私の言葉を聞くと、顔を真っ赤にして身を乗り出し、口元を翔太に見えないように手で隠しながら「ちょっと、やめてよ!」と小声で私に言った。
「心配しているようなことって何?」
「いえ!何でもないですよ、翔太さんには関係のない話なので、気にしないで下さい!」