キミのコドウがきこえる。

「相談した結果でも、こんなに細かいのはすごいよ!翔太のやる気が伝わってくるよ」



「そう?なんか照れる……」



「これってそんなにすごいものなの?」



成美が興味ありげに聞いてきた。



「すごいよ!こういう数字ってね、相当調べないと書けないものだから。おおざっぱにこれくらいってわけじゃなくて……ほら、この予算を出すために、たくさんの事例を調べていて総合的に考えてるっていうのが、分かりやすく書いてあるでしょ?」



「……ふうん。そうなんだ。私にはよく分からないや……」



「分からなくていいんだよ。成美ちゃんは、手伝ってくれるだけで本当ありがたいから」



翔太の企画書を見ながら、私の腹の底からふつふつと何かが湧き上がってくる感覚を感じた。



「ねえ、翔太。私、大太鼓叩くまでの間だけでも翔太の手伝いしちゃ駄目かな?」



「え!?いいの!?」



「うん。だって、この企画書見る限りだと、一人で色々準備するのって大変みたいだし……企業に連絡したり文書で派遣依頼出したり、そのくらいの事務作業なら出来るからさ」



「嬉しい!すごい助かる!そうと決まったら飲もう!いいぞ、めっちゃ盛り上がってきた!」



翔太は、私のおちょこと成美のオレンジジュースが注がれたコップに、自分のおちょこをちょんちょんと当てると、日本酒を一気に飲み干した。


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