キミのコドウがきこえる。
黒板には、ホワイトビールという文字が。
「ホワイトビール……え?白いビール?」
「そうですよ。地ビールでとっても珍しいんです。私の地元で作っているので、たまに懐かしむためにここに来るんです」
「へえ、いいね!ちょっと気分晴れてきた」
「でしょ?ささ、入りましょ」
茶色で統一された落ち着いた店内。
至る所に外国のビール瓶が並んで置いてあってとってもおしゃれだ。
窓際の円卓に座り、二人でビールで乾杯した。
「あぁ……やっぱり美味しいね、本物は。最近発泡酒ばっかりだったからさあ」
「良かった、先輩に気に入ってもらえて」
おつまみで頼んだ普通のソーセージよりもちょっと黒みがかった鹿肉のソーセージを頬張りながら愛菜が深刻そうな顔で言った。
「先輩、これからどうしますか?」
「これからって?」
「これからですよ!再就職とかそういう話ですよ!」
「ああ。ビールが美味しすぎて忘れてたわ」