Unfair love
夜勤もあるから、仕事をしながら犯人探しをするのはあまり簡単じゃないし、警察もほぼ諦めかけている。
最近の警察は本当に頼りないなぁと咲希は心の中で呟いた。
ヴーッ、ヴーッと携帯のバイブが鳴る。電話だ。
携帯の電源を入れ、ロックを解くと主任の佐藤さんからの着信だと分かった。
応答と書かれた所をタップして、携帯を耳に当てた。
「もしもし?」
『あ、もしもし青柳さん?明日から本当に大丈夫?』
「はい、大丈夫です。そろそろ仕事に戻らないと気が紛れないと思っていたので。」
『うん、そっか。あと明日から新人が入るから何日かに指導頼んでもいいかしら?』
「はい、分かりました。」
『じゃあ、明日からまた宜しくね。無理はしないでいいからね?』
「ありがとうございます。では失礼します。」
そう言って携帯を耳から離すとプツッと電話が切れた。