サマースキャンダル×× 〜Episode,00〜【短】
Prologue
まだなにも気づいていなかった頃──。
姉からあなたのことを聞くと時々胸の奥が苦しくなるような気がしていたのは、初めて会った日の罪悪感が消せないままだからなのだと思っていた。
あの日にちゃんとあなたに謝罪できなかったことを、自分が思っている以上に引きずっているだけなのだ、と……。
ずっと、そんな風に考えていた。
だから、なにも気づいていなかったあの頃は、この気持ちが恋だなんて思いもしなかった。
だけど……。
今にして思えば、あれは間違いなく“恋に堕ちた瞬間”だったと思うんだ──。
サマースキャンダル×× 〜Episode,00〜