九条くんは、王子様
「ごめん…相笠さんが、可愛いからつい」
「あ、えっ!」
私が九条くんの言葉に胸を高ぶらせた時には、もう九条くんの手は、パッと離れていた
あ、クリスマスイブの事、いま、言わなきゃ…
…ドキドキ…
「九条くん…、クリスマスイブの、予定って空いてる?」
「空いてるよ、相笠さんと過ごそうと思ってたから」
「俺から誘うべきなのに、ごめんね」
九条くんは、悔しそうに、唇を噛んだ
あれ…?この癖…カオルちゃんと一緒だ
それに、私は、気づいてた
九条くんが、最近、何か忙しそうで、私と一緒にいれなかったことも
きっと、大変な事情を抱えてるのかもしれない…