九条くんは、王子様

少しの沈黙の後、九条くんが私の名前を呼んだ

なんだろう…?

お手洗いに、行きたいのかな?

そう思い、視線を九条くんに向けて、聞いてみる


「お、お手洗い?」


………。


あ、この反応は…、お手洗いじゃ、ないみたいだね…。


また、アホだなって思われてそう…

あながち、その予想は、あっているようで…
九条くんは、手で顔を押さえながら、クスクスと笑い出した


「ふっふふ、そうじゃなくて、コレあげる」


そう言って、差し出してきたのは、ペンギンのぬいぐるみだった


「え…私に!!?くれるのっ!?」


「うん」


うわぁ、欲しかったやつだ!
凄い、かわいいっ!!


受け取ったペンギンをギューッと抱きしめ、九条くんにお礼を言う


「九条くん、ありがとうっ!!嬉しい!」




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