九条くんは、王子様


…………


「えっ?ごめんなさいっ!私、ちょっと最近、耳の調子が悪いのかも…も、もう1回!聞いてもいいかな?」



「相笠さんが好き」


「え………ほんと?」


「ほんと」



「…も、もう、1回!」


「はぁ…仕方がないな」


九条くんは、優しい笑顔でため息をつく


「よく、聞いててね」

そう言うと、九条くんは、私の耳元に顔を近づける

「好きだよ」

…っ、こんなの、一発KOだよ


「わ…私も」


そう、返事すると九条くんは、笑顔で私の髪をなでる


「言っとくけど、もう離さないから覚悟してね」

「へっ?」


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