未熟女でも恋していいですか?
「あ…あの……」


「何だよ」


質問は一度にしろと言いた気な男の顔を見て続けた。


「もしかして…仕事料を入れてくれない一人暮らしのお年寄りって……」


「そっ!あの坊主のこと!」


やはり言葉の再教育が要る。

おっさんだの坊主だの、聞きづてならない。


「高島さん、あのね……」


「俺のことは名前を呼び捨てにしろって言ったろ」


「そ、そう言われてもね…」


それは同居していた間だけのことでしょ。

ここでは関係ないでしょうが!


「また練習させるぞ!」


「い、嫌ですっ!」


断固拒否する。

ぎゅっと握った掌を膝の上に置いて高島を睨んだ。


「そんな練習したくありません!」


ついでに言うなら母の話もせずに帰りたい。

胸の動悸が酷くて、どうにかなってしまいそう。



「ツレねーな。相変わらず…」


「ツレるとか関係ないですから!」


1週間経っても変わらぬ間柄。

袖以外が触れ合っても埋まらないものがやはりある。



「カツラ」


「な、何…」


ドキドキ…と心拍数が上がる。

名前を呼ばれても見つめられても治らない。




「………お前、男が怖いの?」


ギクッとする様な言葉を投げかけられた。


「な……」


思わず肩が上がる。


「な、何でそんなこと言うの?」


必死でひた隠そうとしているのに、声が震えて仕方ない。


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