未熟女でも恋していいですか?
その顔を眺めながら、今までとは少しだけ関係性が違うんだ…と気づいた。


「あのね、高島さん…」


「ん?」


ゴロゴロと口の中でコロッケの塊が動いている。

その子どもっぽい顔つきを見ながら、やはり変な男だと思う。


「私の同僚が貴方の顔を見たくて仕方ないらしいの。後でいいから写真撮らせて」


さらりと言えた。

高島は「え〜」と嫌がりながらも、「一枚だけなら」と許可してくれた。


「イケメンに撮れよ」


「だったら自分で撮れば?」


「じゃあそうする」


「ご自由にどうぞ」


いつもと変わらない会話みたいだけど、さっきよりも親近感が湧いているのは何故だろう。

目の前にいる人が、自分のことを教えてくれると言ったからだろうか。



(ううん。……私が高島をより一層好きになっているからだ……)



時間が重なる度、想いが増している。

胸が締め付けられる程高鳴って、居ても立ってもいられない気持ちになるのはそのせいだ。


何もされなくても確実にメンテナンスは進んでいる。

ただ、この男の気持ちだけが分からない。



(分かるのも何だか怖いな……嫌われてはいないと思うけど、好かれていても困るし……)



触れられた後が自信ない。

髪や服を通してならまだ幾らか大丈夫だけれど、直接肌が触れるとなると恐ろしい。

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