未熟女でも恋していいですか?
線香の端をロウソクに傾け火を移す。

立ち上る煙を見据えながら、灰の中に線香を立てて手を合わせた。


「南無……」



深刻そうな声で一言だけ念仏を唱えると、上半身を腹から折って深く一礼をした。




「…ありがとう」


参ってくれたお礼を言うと、振り返った彼は真面目そうな顔で答えた。



「当然だろう。これから、この家で世話になるのに」



「はっ…?」



何を言い出すんだ。何を。



「俺が今日からここに一緒に住んでやるよ」



上から目線?



「どうして」


「物騒だから」


「冗談じゃありませんっ!」



キッチンから和室へと入る。


仏壇の前に座っている男の前に立ち、す…っと指を差した。




「出てって!一番物騒なのは、あなたの存在ですっ!!」



強気で言い張る私の顔を、穴が空きそうなくらい覗く。


そして。



「言い方が悪かった…」と反省した様な顔を見せ………



「俺をここに住まわして。家もあんたもリフォームしてやる」



「はぁぁぁぁっ!!??」



バカなの!?

アホなの!?


それとも何なの!!??



「安心しろって。襲ったりしねぇから!」



「じょ……冗談はよして!!どうして急にそんなっ…!!」




恐怖心と緊張とで膝が震える。



「あんたみたいなお人好しを救済するのが役目?つーか、単純に今、金がねーからここに置いて欲しい」







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