未熟女でも恋していいですか？

「あ…あれは、さっきも言った通り救済措置で仕方なく……」


「はいはい。救済もいいけど気をつけて。仙道さんはまだ若いんだから見知らぬ男を簡単に家へ引き込まない方がいいわよ」


「別に若くないよ、私…」


「若いって！まだ３０代半ばでしょ！？」


「もう３０代半ばです」


自分で自分を認める。

音無さんは呆れるように口を開け、はぁ…と短く息を零した。



「そんなふうに思っちゃダメよ！早く老け込むわよ！」


「でも、事実は認めないと」


「ダメダメ！幾つになっても『自分は若い！』って言い聞かせてないと」


「若い？本当の若いを知っているのに？」


目の前を通り過ぎていく生徒たちに目線を向ける。

何人かの生徒と目が合い、一礼し合った。


「……あの若さを目にして自分が若いと思える？」


音無さんに視線を戻して聞く。


「う〜っ」


犬のように唸っている。


（ほらね…）


心の中で呟いた。



「だけど！自分が若くないと認めてはダメ！そんなことしたら、ますます婚期が遠くなるわ！」


負けじと言葉を覆そうとする。

その音無さんから目線を下げ、気持ちも下向きに話した。


「…いいのよ。どうせ結婚願望なんてないから」


「またそんなの口にしてぇ！１人で生きていくのなんて、仙道さんには似合わないっ！」


私とは反対の調子で話す。


「そんなことないよ。似合うって！」


無理して声を強めた。