未熟女でも恋していいですか?
「悪影響なんてありません!あなたの方が影響悪い!帰って下さいっ!」


失礼過ぎる男に刃向かった。



ギロリと睨む男の顔は彫りが深くて、鼻は筋が通って高い。

四角っぽい目尻は切れ長な感じで、ハッキリと刻まれた二重瞼をしている。

小鼻はコンパクトな感じに仕上がっているのに、口が若干大きめ。

唇が肉厚なとこは最近流行りのイケメンの主流とは真逆かもしれないけれど…。



(……まあ、イケメンって言えば、そう見えなくもないか……)


ガラ悪そうだけどね…と心の中で呟く。

私の心情を読み取ったかのような男は、見えていた右の口角を上げた。



「そんなに俺の顔がイケてるか?」


「…あんたバカ?誰もそんなの言ってないでしょう」


ぎくっとしながらも冷静にそう言う。

こんなの相手になんてしてられない。

私はこれから銀行へ行って、母の通帳を解約しないといけないんだ。



「すみませんけど、帰って下さい。私はこれから行くとこがあるんです!」


「どこへ行くんだよ」


「そんなの貴方には関係ないでしょう!急ぐんで失礼します!」


「急ぐなら送ってってやる。その代わり、壁塗りさせてくれ」


「いーえ!結構です!たかが銀行くらい、幾らでも歩いて行けます!」


「銀行へ行くのか?だったら余計に好都合だ。俺も用がある。一緒に行こう!」


「えええーーーっ!!???」


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