未熟女でも恋していいですか?
……その子は素直で優しい子だった。

私が髪型を変えたり着たことのない服を着てきたりすると、一番に気づいてくれるようなところがあった。



『よく見てるわねー』


感心感心…とふざけながら頭を撫でたり、今思えば、私の方にも配慮が足りなかったのかもしれないとも思う。

でも、年の近い子供達は皆自分の弟妹のように思えて、その子に限らず誰にでも、そういう態度を気軽に取ってしまっていた。


可愛い教え子が異性であると考えずにいたある日、1月に受けた採用試験に合格したと知らせが入り、一番最初に教えなければならなかった相手を飛び抜かして、私は仲の良かったクラス代表の子に喜びを明かしてしまった。





『聞いて聞いて!先生、本採用試験に合格したのよ!』


通知を手渡し、見てくれるよう促した。


『うわぁ!本当だ!先生、やったじゃん!!』


その子は自分のことのように喜んでくれた。


『でしょう!もう嬉しくって涙出そうー!』


生徒の前で泣くなんて、魔が差したとしか言いようがない。

その涙が生徒のタガを緩めて、思いが溢れ出すのに時間は掛からなかった。



『僕の胸で良かったら貸しますよ』


そう言われて抱きつかれた。



『えっ……あの、ちょっ……待って……』


オタオタしながら体を振り解こうとした。

でも、若い力に及ぶ筈もなく、その抵抗は更なる興奮を生んでしまった。



『可愛い先生………やっと僕のものになるね……』


< 76 / 190 >

この作品をシェア

pagetop