未熟女でも恋していいですか？
（だって本当に似ていると思ったんだもん。それ以上に何て言う！？）


一昨日までの雰囲気なら、もしかするともう少し違ったリアクションができたかもしれない。

でも、今の高島との関係は今迄よりも他人行儀な感じで、これまでの様な態度を継続するにはかなりの無理がありそうだ。


怒らせているのは自分だと分かってはいる。

でも、だからと言って謝るのもおかしい。



（私は誰とも暮らせないの。特に相手が男では駄目……！）


それは私のせいではないけれど、全く違う…とも言い難い。


男を意識し過ぎているだけだと言うのは知っている。

誰もがあの時の生徒と同じではないというのも頭では理解している。


……でも、触れられるとあの日の記憶が蘇って、異様なまでに心臓の動きが速くなって呼吸がしづらくなる。

気が遠くなって、怖くて仕方ない。



（……そんなの話せる訳ないじゃない。相手は私のことを何一つ知らない男なのに…）


黙って塗装をし続ける高島の背中を見つめた。

あの人は、間もなく私の目の前からいなくなる。

快活そうに喋る姿も、豪快に食事する姿も見ないで良くなる。



………一抹の不安を覚えた。

一昨日の夜、１人きりで食事した時の侘しさは母と暮らしていた時よりもかなり深かった。

高島との食事が人一倍賑やかなせいだと思いたかったけれど、どうもそれだけではないらしい。


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