キミしか見えない




俺が5歳のとき。







「ごめんね、春輝。」






俺が寝たと思った母さんは

俺の頭を優しく撫でながらそう言った。







俺はこのときなんだか

目を開けちゃいけない気がしたんだ。







「さようなら。」







そう呟いた母さんは俺の部屋から

出て行った。








俺は慌てて起きて

母さんを追いかけた。








「お母さん、どこに行くの?」









嫌な予感しかしない俺は

すごい泣いていた。








でも必死で追いかけた俺に

母さんはこう言い放った。








「こないで!

お母さんは自分の為に生きたいの!

もう春輝のことは考えたくないの!

だからお願い、、、。」










ってな。







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