なみだ雨
それからはもう地獄だった。
日本酒一升瓶を10時間かけて3本飲み干し、
ビールはジョッキでおかわり6杯。
車で帰るために航平は飲まず、
はるかは理子に散々飲まされ泥酔状態。
まだまだ足りないという理子を車に詰め込み、
はるかを助手席に乗せ、
ふらふら外に出ない様に見張りつつ
お会計を済ませる。
2人に家はどこか聞いても唸るだけで答えはない。
車の時計を見ると、まだ19:32分。
航平は仕方なく、自分の家に向かった。
最初に理子を負って家の鍵を開ける。
「げっごん゙じだがっだの゙に゙ぃぃぃぃ」
「はいはい」
「わ゙だじばぁぁぁぁぁぁあ」
耳に突き刺さる声にももう慣れた。
軽くあしらいつつ中に入り、ベッドに寝かせる。
「理子さん!理子さん!ここ、俺んちです!」
「や゙め゙でぇぇぇぇぇぇ!だずげでぇぇぇぇえ!!」
会話はちゃんとできるんだなと、他人事のように思ってしまって、はっとする。
「何もしませんから!!」