なみだ雨
9
チュンチュン…
鳥のさえずりが聞こえ瞼を開ける。
ぼーっとしてる頭。
見慣れない天井に、はるかは勢いよく身体を起こす。
と、その刹那、襲ってくる激しい頭痛。
「〜〜〜〜〜っ」
声にならない声を上げはるかは再び頭を枕に戻す。
ドアが開いた音がした。
額に腕を乗せながら、はるかは音がした方を見る。
「おはようございます」
航平の声が聞こえて、ここがどこなのか分かる。
「…おはよう」
カーテンを開け放たれ、
朝日とは思えない太陽の光が部屋に届く。
「ごめん、いま何時?」
「あと5分で正午です。はい、水」
グラスを受け取り、大きなため息をつく。
「…ごめん」