なみだ雨
「あぁ~はらへった~、はるかー!!!出てこいよおらぁ!はるか!!!」
おじさんが家の中で1人、暴れていた。
「どこ行ったんだよはるか!!!」
拳を振り上げるが殴るものがなく、
行き場のない右手は自分の膝を叩いた。
「畜生、手間かけさせやがって」
おじさんはそう言うと、
携帯を手に取った。
「あぁ、俺。ああ?!知るかよ」
電話を切ると、
おじさんはシャワーを浴びて
スーツを着た。
久しぶりにきた。
5年ぶりか。
仕事を始める。
はるかを探し出す。
探し出して連れ戻す。