掠めた星屑。



『星に手を伸ばせば、いつか、届きそうだよね』

彼女はそう少し声高く言った。


まるで無邪気な子供のように、けれど、その瞳はやっぱり哀しさを滲ませていて。

『...それは、ちょっと難しいんじゃないかな』

そう曖昧に笑って見せれば、彼女はカラカラと楽しそうに笑って、"無理かなぁ"なんて言う。

そうして僕は、少しだけ安心して、少しだけ泣きたくなった。



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