想いの能~チカラ~ 番外編集
ーsideレナードー
『失礼します。イリーナ・フェイドです。』
「入りなさい。」そう言うとイリーナは入ってきた…猫狩りの始まり。と内心他の人が言う“黒い笑み”を浮かべた。
「さて、貴女は何故ここに居るか分かっていますか?」
「いえ。」よくもまぁそんな事が言えますね。
「貴女には零隊のメンバーであるレイカ・ナルセの嫌がらせ、及び横領、脅迫の罪が掛かっている。」そう言うと右手を掲げると火の幻影が形を作り、8㎝程になる紙の束が表れた。…そこにはイリーナ・フェイドに関する犯罪の物証等が事細かに書かれている。
「この件は第一王子もご存じで大変ご立腹されている。…言い逃れは出来ると考えないほうが賢明ですよ。」最後に“真っ黒い笑顔”で言うと扉の向こうに人の気配がした。─勿論、隠れ部屋にいるレイスでは有りませんけれど。
「フェイド侯爵、お入り下さい。」と立ち上がってから言うとドアが開きフェイド侯爵が入ってきた。
「アルゼリオ伯爵、一体…」と言うと机に置いてあった書類を見て目を見開いた。